一般財団法人環境イノベーション情報機構
国際エネルギー機関、東南アジアのエネルギー動向に関する3件の報告書を公表
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2019.11.15 【情報源】国際機関/2019.10.30 発表
国際エネルギー機関(IEA)は、東南アジアのエネルギーに関する報告書3件(「東南アジアエネルギー展望2019」、「東南アジアにおける冷房の未来」、「ASEAN再生可能エネルギー統合分析」)を公表した。エネルギー需要が世界平均の2倍の速度で増加する東南アジアには課題も多く、2018年にASEAN各国のエネルギー担当相は、IEAに対し連携と支援を要請した。今回の報告書はこれに応えるものである。「展望」によると、東南アジアでは現在4500万人が電気にアクセスできないが、2030年までにユニバーサルアクセスが達成される見込み。一方で次のような課題がある。1)地域内の生産量を上回って増大する燃料需要のため、2040年までに年間のエネルギー貿易収支は3000億ドル以上の赤字となり、エネルギー安全保障上の懸念要因となる。2)化石燃料使用が倍増し、大気汚染の悪化とCO2排出の増加のため、健康と環境上の問題が生じる。大気汚染による年間の早死は2040年に2018年から20万人増の65万人に、CO2排出は約1.7倍となる。3)再生可能エネルギー投資は緒についたところで、2040年までに電力需要の増加分の3分の1しか満たせない。
IEAは課題解決のための柱として次の4項目をあげる。1)再生可能エネルギーの導入、2)エネルギー効率の向上、3)化石燃料補助金の段階的廃止、4)非効率な石炭火力発電等陳腐化した技術への対処。【国際エネルギー機関】