一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州委員会、世界の森林の減少・劣化を防ぐ新たな行動枠組を公表
【地球環境 森林の減少】 【掲載日】2019.08.05 【情報源】EU/2019.07.23 発表
欧州委員会は、世界の森林を保護、再生するため、新たな行動枠組の制定を内容とする総合的な政策文書を採択した。これは、現存する森林の保護と持続可能で多様性に富んだ森林の拡大を目的とし、次の5項目を優先政策として掲げる。1)消費の土地への負荷(フットプリント)を削減し、森林減少ゼロの製品の消費を奨励する。そのために、多様な利害関係者の参加するプラットフォームを設置し、認証スキームの強化を奨励する。
2)森林保護に関する総合的枠組の策定支援等生産国と協力する。
3)国際連合食糧農業機関(FAO)、世界貿易機関(WTO)等の国際機関を通じて国際協力を強化する。小農民が生態系サービスを維持・向上できるような誘導策を策定する。
4)森林のためのグリーンファイナンス育成の仕組みの検討を含め、持続可能な土地利用へ資金を向ける。
5)情報の質及び提供・入手の方法を強化し、研究とイノベーションを支援する。そのために森林減少と劣化に関するEU監視所の設置を提案し、全球的環境・安全保障監視「コペルニクス」システムの利用強化を検討する。
EUは2003年以降不法伐採と不法取引防止のための「森林法の施行、ガバナンス及び貿易に関するEU行動計画」(FLEGT)を実施し、2008年には、2030年までに世界の森林被覆率低下を食い止め、2020年までに熱帯林減少を50%削減することを目標とする政策文書を発表するなど森林減少と取組んできた。この目標が実現困難になっているため、新たな行動枠組を提起した。