一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、EUの2017年温室効果ガス排出量は輸送の排出増で微増と報告
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2019.06.18 【情報源】EU/2019.05.29 発表
欧州環境庁(EEA)は、EUの2017年の温室効果ガス(GHG)排出量は前年から0.7%増加したと2019年版GHGインベントリ報告書で公表した。EEAによると、排出増の主要部分は輸送と産業が占めるという。輸送部門では、旅客・貨物の道路輸送の排出量が2013年から4年連続で増加した。国際航空も輸送需要と燃料のケロシンの消費が増えたことで大幅に排出量を増やした。産業部門では、2016年より経済活動が活発化したことがGHG排出増の背景にあるという。ただし、この排出増加は、エネルギーと経済の炭素強度改善によって部分的に相殺された。EEAはその要因として、熱生産と発電で石炭に代わり天然ガスと再生可能エネルギーが増えたこと、エネルギーの変換ロスや効率の改善が進んだことを指摘している。
国別でみると、EUの中で2017年のGHGの増加が絶対量で大きかったのはスペインとポーランドであった。スペインでは発電に使う石炭の使用量が、ポーランドでは道路輸送の排出量がそれぞれ増加した。【欧州環境庁】