一般財団法人環境イノベーション情報機構
新たな「入門レベル」の農業・環境スキーム 試験用地を発表
【自然環境 身近な自然の保全】 【掲載日】2002.11.22 【情報源】イギリス/2002.11.14 発表
イギリスのミーチャー環境・環境農業大臣は、11月14日、環境にやさしい農業の促進を目指す新たな「広く浅い」、「入門レベル」のスキームの試験用地として、4地域を発表した。「将来のための食糧と農業(Future of Food and Farming)」に関するドン・カレー委員会は、大多数の農家に対して、入門レベルの農業・環境スキームの門戸を開くよう提言していた。2005-06年期に新スキームが本格的に始動すると、農業政策の中心に環境が位置づけられるようになるだろう。
試験用地は様々な農業形態を考慮して選ばれた。具体的には、草地システム農業(南西部 ティバートン近郊)、混合式農業(南東部 モーティマー近郊)、穀物・耕作地(中東部 マーケット・ディーピング)、高地農業(北東部 バーナルド・キャッスル)という4つの農業形態について4ヵ所が選定された。
イギリス環境・食糧・地方事業省は、今後3年間で新たに5億ポンド(約952億3000万円)を投資。農業と田園地帯の持続可能な将来を実現し、「将来のための食糧と農業」委員会の中心的な提言を実行に移していく予定である。
また、同省は、新スキームの2005年の本格的な実施を前に、既存の農業・環境スキームの見直しを進めている。これは、新たなスキームの創設につながっていく予定で、今回の「入門レベルスキーム」もこの一環となるもの。
ミーチャー環境大臣は、新スキームは田園地域にある農業地域での景観の改善に貢献すると評価。同時に、分野ごとの個々の対応では効果が薄い、広域汚染、鳥類などの生物種の喪失、景観特性の保全、考古学的遺跡の保全といった課題について、総合的に対処できるようになることを歓迎した。【イギリス環境・食糧・地方事業省】