一般財団法人環境イノベーション情報機構
フィンランド環境研究所、栄養塩負荷が沿岸水質に及ぼす影響評価モデルを開発
【水・土壌環境 その他(水・土壌環境)】 【掲載日】2019.01.29 【情報源】フィンランド/2019.01.16 発表
フィンランド環境研究所(SYKE)は、栄養塩負荷が沿岸水質に及ぼす影響を評価するモデル「フィンランド沿岸栄養塩負荷モデル(FICOS)」を開発した。バルト海を対象とした従来の生態系モデルでは沿岸地域を十分考慮できていなかった。一方、FICOSでは、フィンランド湾、サーリストメリ(多島海域)、ボスニア湾を対象に、陸水、沿岸、外洋の連続を一貫した手法で分析・評価し、藻類バイオマス、クロロフィル、リン、窒素の濃度を、栄養塩負荷の変化が及ぼす影響とともにシミュレーションできる。FICOSを用いた評価の結果、フィンランドから流入する栄養塩の影響は周辺の沿岸地域に集中しており国内の削減措置が有効であること、選択漁獲などは養殖による栄養塩負荷の補償として用いることができるが同じ沿岸地域で実施する必要があることが示された。FICOSは、水質モニタリング、河川海洋資源管理の計画策定、人間活動の水域への影響評価に用いられ、養殖場などの許認可でも利用できるという。【フィンランド環境研究所】