一般財団法人環境イノベーション情報機構
温室効果ガス削減に向け、屋上緑化プロジェクトを推進
【環境一般 まちづくり】 【掲載日】2002.10.21 【情報源】カナダ/2002.10.09 発表
トロント市で10月9日、屋上緑化研究プロジェクトのデモンストレーション及び屋上緑化による温室効果ガス削減効果等に関するカナダ環境省の研究成果の発表が行われた。「屋上緑化インフラストラクチャー実証プロジェクト」は、防水加工シートなどのインフラ技術を用いながら、ビルの屋上に植物を植え、その効果を実証する。既にトロント市のシティー・ホールなど2ヶ所でこうしたシステムが導入されており、今後2年間にわたってモニタリングを行う。このプロジェクトは、国家研究評議会(National Research Council) やカナダ環境省、カナダ州政府の気候変動行動基金、トロント市に加え、民間企業も参加している「健全な都市のための屋上緑化(Green Roofs for Healthy Cities)」などに支援されており、政府・民間のパートナーシップのもとに運営されている。事業総額は、100万カナダドル(約7500万円)。
また、カナダ環境省の研究成果によると、屋上の有効利用面積の6%程度を緑化することで、夏のトロントの気温を1〜2度下げ、ヒートアイランド現象を緩和することができる。気温が1度下がると、冷房や冷蔵庫の電気使用量が5%削減できるとして、温室効果ガスの削減にもつながるという。6.5km2の屋上を緑化することで、温室効果ガスを2.18MT(CO2換算)削減することができる。
なお「健全な都市のための屋上緑化」では、北アメリカでの屋上緑化市場で数百万カナダドルを見こんでおり、実証プロジェクトの成果に期待している。【カナダ連邦環境省、The Cardinal Group Inc.】