一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、EUの11加盟国が大気汚染物質の排出上限未達と報告
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2017.07.18 【情報源】EU/2017.07.03 発表
欧州環境庁(EEA)は、新EU国別排出上限(NEC)指令の下で加盟国が初めて提出した、排出上限の達成状況を公表した。同指令は、大気汚染の主な原因となる窒素酸化物(NOx)、非メタン揮発性有機化合物(NMVOC)、二酸化硫黄(SO2)、アンモニア(NH3)、微小粒子状物質(PM2.5)の5物質の排出量を規制する。報告によると、2015年の調整前の合計排出量で、28か国のうちドイツ、フランス、スペイン、デンマークなど11の加盟国が1つまたは複数の汚染物質の国別上限を超過した。超過の原因は主に輸送と農業の排出だという。しかしEU全体では、NMVOC、SO2、PM2.5の3物質の排出量はすでにEUの2020年排出目標値を下回っている。NOxだけは2020年目標を達成するには、より著しい削減が必要で、2030年目標については全物質で大幅削減が必要だという。報告ではまた、同指令で設定した2020年と2030年の排出削減目標に対する各国の予測排出量も評価している。18か国が現行の政策では2020年目標にはNOx、NH3、NMVOC、SO2、PM2.5の1つまたは複数で達成しない見通しと報告した。【欧州環境庁】