一般財団法人環境イノベーション情報機構
ボン条約等のタスクフォース、H5N8高病原性鳥インフルエンザと家禽・野鳥に関する声明を発表
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2017.01.17 【情報源】国連/2016.12.20 発表
国連環境計画/ボン条約(UNEP/CMS)と国連食糧農業機関(FAO)を中心とする「鳥インフルエンザと野鳥に関する科学タスクフォース」は、2016年11月に発生したH5N8高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の状況に関し、各国政府、養鶏業、疾病対策、野生生物管理、自然保護等の各部門の関係者への情報提供として、野鳥とインフルエンザウイルスとの潜在的相互作用、および適切な行動についての声明を発表した。声明では、HPAI大量発生は家禽類の集中飼育および関連取引・販売システムに伴うのが通常であり、野鳥類がウイルス感染拡大に果たす役割は明確ではないこと、系統発生的分析によると野鳥のHPAI H5N8感染源は東アジアの家禽(カモ、ガチョウ)に蔓延しているHPAI H5ウイルスのプールであること、また今回のH5N8ウイルスの発生源は解明されていないこと、H5N8は鳥類に固有のウイルスであること等を示し、タスクフォースは各国・諸機関に対し、監視や疫学調査の強化と家禽類の飼育・販売での感染予防に努めるとともに、国際的義務を認識し、疾病対策の手段として野鳥の駆除や毒性の強い薬剤の散布を考慮しないよう求めるとしている。【ボン条約(移動性野生動物種の保全に関する条約)】