一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画、違法伐採を食い止める国際的な対策強化が必要と報告
【地球環境 森林の減少】 【掲載日】2016.12.22 【情報源】国連/2016.12.03 発表
国連環境計画(UNEP)は、世界的な木材の違法伐採や取引を食い止めるには現行の国家法規や二国間協定等の規制では不十分であると報告した。違法木材の多くは国内流通されているが、規制の厳しい国から規制の緩やかな国へ輸送されるようにもなってきており、世界で取引されている熱帯木材のうち、違法な土地転換に由来するものは3分の1近くに上ると推定される。さらには、インフォーマルな小規模事業者による違法木材の生産や、組織犯罪網の違法伐採への関与が増えていることも分かった。これらは、国際森林研究機関連合(IUFRO)が取りまとめた、木材の違法伐採と取引に関する報告書で明らかになったもの。UNEP事務局長によると、組織犯罪や違法伐採を含む林業犯罪は毎年1520億ドル相当に達する。同報告書は、問題の背景や多面性をふまえた上で、分野を越えた取組や緊密な国際協力など、あらゆる側面に対処する施策が必要であると指摘する。木材の違法伐採や取引は、生物多様性や気候変動緩和を脅かす問題となっており、環境、社会、経済に多大な影響を与えている。【国連環境計画】