一般財団法人環境イノベーション情報機構
デンマーク、大気中硫黄分が2014〜2016年で半減と発表
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2016.11.16 【情報源】デンマーク/2016.11.03 発表
デンマーク環境・食糧省は、2016年の同国内の大気中硫黄分の濃度が2014年の数値に比べ50%以上減少したと発表した。オルフス大学デンマーク環境・エネルギーセンター(DCE)のデータによると、デンマーク国内の3か所のモニタリング局のすべてにおいて、2016年の数値は、2014年に比べ50%〜62%減少した。これは2015年から導入された船舶用燃料の硫黄含有量規制の効果だという。2015年1月1日から、北海、バルト海、北米周辺を航行する船舶は、硫黄分が0.1%以下の燃料を使うよう義務づけられた。デンマーク環境保護庁(EPA)は、船舶の燃料サンプル採取のほか、船舶が航行する海峡の橋や航空機に取り付けた検出器を用いてこの規則の遵守状況を調べているが、その測定値から現在デンマークの水域を航行する船舶のほとんどが規則を遵守していることが示されたという。大気中の硫黄分は呼吸器障害などの原因となり、デンマークにおける健康影響の約20%は船舶からの大気汚染物質によるものだという。硫黄分は環境にも有害で、土壌や水質を酸性化し魚など水生生物に悪影響を及ぼすことが知られている。【デンマーク環境・食糧省】