一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ海洋大気庁、アメリカの大規模林野火災のリスクが21世紀中頃までに最大6倍増と予測
【地球環境 森林の減少】 【掲載日】2015.09.09 【情報源】アメリカ/2015.08.26 発表
アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、気候変動の影響によって、アメリカで大規模な林野火災のリスクが大幅に増加するという予測を公表した。この分析では、アメリカ各地で大規模林野火災が発生する可能性が今後どのように変化するかを把握するため、CO2排出が上昇を続けるシナリオ(RCP8.5)を想定し、17の気候モデルを用いてシミュレーションを行った。その結果、過去数十年間(1971年〜2000年)と21世紀中頃(2041年〜2070年)を比較した場合、アメリカ西部を中心に大規模林野火災が発生しやすい週が最大6倍増加すると予測されたという。林野火災は、生命や住居、生活を危険に晒すだけでなく、煙によって慢性的な心臓や肺の疾患を悪化させ、融雪や降雨パターン、水質、土壌特性の変化を引き起こす。また、大量の炭素を排出し、生態系にも重大な影響が及ぶと懸念されている。さらに、同国における消火コストは過去数十年間に2倍以上に増え、2000年以降年間10億ドル超となっているが、報告書はこの負担が増すおそれも指摘している。
【アメリカ海洋大気庁】