一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ海洋大気庁、ゴーストフィッシング問題の全体像をとらえた初の調査報告を公表
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2014.09.09 【情報源】アメリカ/2014.08.27 発表
アメリカ海洋大気庁(NOAA)の海洋ゴミプログラムは、毎年、何千もの漁具がアメリカの海域内で流され、あるいは投棄されて放置漁具となり、魚類やカニ等を捕獲し続けて生態系・漁場等の劣化をもたらす、いわゆる「ゴーストフィッシング」問題で、初めての調査報告を「Marine Pollution Bulletin(海洋汚染公報)」に公表し、防止への対応を勧告した。この報告は、全米7漁場での調査を基に各漁場の問題の深刻度を比べ、共通課題を検討するとともに、放置漁具の数(平均5〜47個/1平方キロ)や、漁具の構造等による自然環境への残留期間を推定した調査結果も報告している。NOAA海洋局によれば、放置漁具は漁獲対象種のみならず絶滅危惧種等をも捕獲してしまう。また、サンゴ礁等の脆弱な生息環境も損ねる危険性もあり、漁場への累積的影響は予想以上に大きいという。NOAAは今回の包括的調査で、資源管理者の意思決定のためより多くの情報が提供できたとしている。調査報告では、各漁場間の共同アプローチを重視した戦略(ゴーストフィッシングの水産資源への影響の調査、問題解決へのプロジェクトに漁業を巻き込む等)を提言している。【アメリカ海洋大気庁】