一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ気象学会、2012年極端気象現象12件のうち半数は人為的な気候変動も寄与と報告
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2013.09.19 【情報源】アメリカ/2013.09.05 発表
アメリカ気象学会は、2012年に5大陸および北極圏で起きた極端気象現象12件の原因に関する報告書を発表した。これは、世界11か国計18の研究チームが様々な方法で分析した結果を、アメリカ海洋大気庁の科学者らがまとめたもの。報告書によると、これら極端気象現象は主に気象・気候の自然変動が原因だが、その半数において人間の温室効果ガス排出による気候変動も一因であることが判明したという。その主な事例は次の通り。1)アメリカを襲った春・夏季の熱波は、主に自然の大気動態で説明可能だが、人為的な気候変動によって気温上昇幅が大きくなり、現在、異常高温が発生する可能性は4倍となった。
2)ハリケーンサンディがもたらした洪水は、大規模な高潮と満潮が重なったことが主因だが、現在、気候変動による海面上昇で同様な洪水が発生する可能性は1950年と比べ倍増。
3)夏季の北極圏における海氷域の記録的な縮小は、大気と海洋の温度上昇による薄氷の融解が原因であり、これは自然変動だけでは説明不可能。
4)世界各地で発生した豪雨は自然変動が主な原因だが、イギリスやオーストラリア南東部等の豪雨は人為的な気候変動も寄与。【アメリカ海洋大気庁】