一般財団法人環境イノベーション情報機構
気候変動枠組み条約のコミットメントを達成 2000年の温室効果ガス排出量は1990年比3.5%減
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2002.05.09 【情報源】EU/2002.04.29 発表
欧州環境庁は2000年のEUの温室効果ガス排出量を公表。これにより、気候変動枠組み条約に基づくコミットメント、すなわち、2000年までに温室効果ガスの排出量を1990年レベルで安定化させるという目標を達成できたことが明らかになった。2000年のEUの温室効果ガス排出量は、1990年レベルから3.5%減となっている。今回のデータは、毎年秋に委員会が公表するモニタリングリポートに用いられるデータで、加盟国の報告をもとに欧州環境庁等がチェックを加えたもの。
ただし、1999年から2000年にかけては排出量が増えていることが懸念されている。今回の欧州環境庁のデータにより、2000年時点では、加盟国の多くが京都議定書の目標を達成するための目標経路を上回っていることが明らかになった(訳注*)。また、イギリスを除く全ての加盟国は、EU内の排出分担目標を2010年までに超えることになろう予測している。このため、ヴァルストローム環境委員は、追加的な取組や一層の努力なくしては、欧州レベルでも国レベルでも、EUは京都議定書の目標を達成することはできないだろうと釘を指している。
*訳注 目標経路は、2000年を、1990年から2008/2012年までの中間地点とし、京都議定書の目標値を「2」で割った値を2000年に達成できたか評価している。欧州環境庁のデータによれば、EU内で実質的な排出削減目標を課されたルクセンブルグ、ドイツ、イギリス等は削減目標経路よりもさらに削減が進んでいる。一方で、実質的な排出増加が認められているスペイン、ポルトガル等は増加目標経路よりもさらに増加が進んでいる。いずれも目標を「上回っている」と評価されている。
【欧州委員会環境総局】