一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州委員会、廃棄物法令の管理強化が経済成長に寄与との調査結果を公表
【ごみ・リサイクル その他(ごみ・リサイクル)】 【掲載日】2012.01.27 【情報源】EU/2012.01.13 発表
欧州委員会は、廃棄物法令の適切な実施とリサイクル推進が、処理費用等のコストを削減し、利益と雇用の創出をもたらすとの最新の調査結果を公表した。この調査は、キプロス、ドイツ、アイルランド、イタリア、オランダでの多数のケーススタディをもとに、廃棄物法令の実施・執行の強化がもたらす効果を詳細に分析して、加盟国への経済・環境・社会面の利益を実証したという。EUでは、一人当たり年間16トンの原材料が消費され、そのうち6トンが廃棄物になり、その半分が埋立処分される。このため欧州委員会は、資源効率ロードマップで、2020年までに廃棄物を資源として管理するための行程を定めている。EUの廃棄物管理・リサイクル部門は活発に動いており、2008年の売上高は1450億ユーロにのぼっているが、これはまだEUのGDPの1%、200万人の雇用に過ぎず、今後の拡大には極めて大きな可能性がある。調査の結果、
・廃棄物と法令の機能についてモニタリングとデータが必要。
・汚染者負担原則や経済手法(処分コスト増加等)の活用が、遵守と財源確保に有効
・検査と監視の強化が必要
・法令実施における欧州環境庁(EEA)の専門知識と能力の活用が推奨される、との結論が得られた。
また問題点として、モノの販売価格に廃棄コストが反映されていない、分別収集やリサイクルのインフラが不十分、体系的管理と執行メカニズムの不備、データの不足などが挙げられている。【欧州委員会】