一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界気象機関、現在の南極のオゾンホールは2400万平方キロメートルで減少せずと報告
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2011.10.03 【情報源】国連/2011.09.16 発表
世界気象機関(WMO)は、9月前半に南極のオゾンホールが急激に拡大し、2400万平方キロメートルに達したと発表した。この規模はここ10年間のほぼ平均値で、2010年より大幅に大きく、過去最大だった2006年よりも小さい。オゾンホールは、地上、気球、衛星による観測や気象データにより監視されており、通常、9月後半に最大表面積、10月前半に最大の深さに達する。過去10年、オゾン層は、フロンガスの利用制限等により減少はないものの、1980年以前レベルへの回復までには時間がかかり、極地域以外で今世紀半ばまで、南極ではさらに遅くなるといわれている。そのため、昨年、WMOと国連環境計画(UNEP)は、オゾン破壊物質でもあり、温室効果ガスでもある代替フロン(HCFC)の廃止促進を提言、2011〜2050年の平均で、年間0.5ギガトンの温室効果ガス削減(二酸化炭素相当)が可能と報告した。廃止によって、オゾン層破壊物質の排除だけでなくエネルギーコストを削減し、気候保護の恩恵を最大化する先端技術を確立するチャンスであると呼びかけている。【世界気象機関(WMO)】