一般財団法人環境イノベーション情報機構
モントリオール議定書の実施のための多国間基金、中国のHCFC排出削減プロジェクトに2億6500万ドルを支援
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2011.08.16 【情報源】国連/2011.07.29 発表
「モントリオール議定書の実施のための多国間基金」執行委員会は、中国が提出したハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)段階的削減管理計画(HPMP)の第1段階となる2015年までの削減プロジェクトに対し、2億6500万ドルの支援を承認した。HCFCは高い温室効果もあるオゾン層破壊物質で、中国はその最大の生産・消費国。同国ではエアコンや商工業用冷凍の冷媒、発泡剤などに使用されているが、近年、急速な経済成長に伴い排出量が急増している。モントリオール議定書のHCFC規制措置は、2013年にHCFC消費量を凍結し、これを基準に2015年までに10%削減することを定めており、HCFCを扱う産業は何百もの製造ラインの変更を迫られることになる。資金援助により、中国とそのHCFC使用産業は、モントリオール議定書が定める初のHCFC削減の達成に向けて大きな一歩を踏み出した。今後HPMPが実施されれば、国内のHCFC消費量において3320トンの大幅削減が実現するだけでなく、新技術導入で、温室効果ガス排出削減による地球規模の気候変動対策にも弾みがつくと期待されている。【国連環境計画(UNEP)】