一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界気象機関、2011年春の北極オゾン層は記録的減少と公表
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2011.04.18 【情報源】国連/2011.04.05 発表
世界気象機関は、2011年春の北極のオゾン層に記録的な減少がみられたと発表した。この冬の初めから2011年3月末の間に、最大約40%のオゾン全量(オゾン気柱量)の減少が観測された。これまでの記録では減少量の最大は30%であった。モントリオール議定書によりフロンガスなどオゾン破壊物質の削減が成果をあげつつあるにもかかわらず、オゾン層が大幅に減少したのは、この冬の成層圏温度が低かったこととオゾン層破壊物質が依然として存在し続けていることが原因とみられる。現在のところ極地のオゾン層破壊物質の減少量は、1980年レベルに戻るために削減すべき量の10%である。が、モントリオール議定書がなければ、今年のオゾン層の減少幅はさらに大きかったと考えられる。世界気象機関と国連環境計画による「オゾン層破壊の科学アセスメント2010」は、オゾン層が1980年以前のレベルまで回復するのは、極地外の地域で2030年から2040年、南極で2045年から2060年、北極は、南極より10年から20年早くなるとしている。【世界気象機関】