一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ海洋大気庁、ゴマフアザラシの南部地域個体群を絶滅危惧種に指定
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2010.11.05 【情報源】アメリカ/2010.10.21 発表
アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、ゴマフアザラシの南部地域個体群(DPS)を、動物やその体の一部の米国内への輸入を厳しく規制する「絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律」(ESA)の絶滅危惧種に指定した。生息数3300頭ほどのこの南部地域個体群は中国の遼東湾とロシアのピョートル大帝湾に集中しており、その生息域は米国の管轄域外であるため、今回の指定には生息地の指定は伴わない。これらのゴマフアザラシが春に繁殖や脱皮を行なう海氷の生息地は、気候変動や海氷減少の影響を受けると予測されている。この個体群の希少性、海氷減少に対する脆弱性に加え、偶発的な捕獲や石油流出などのリスクもあるため、NOAAはゴマフアザラシの南部地域個体群をESAの絶滅危惧種(近い将来絶滅するおそれのある種)に指定することを決定した。この決定に際し、NOAAは最高の科学・商用データを用いた検証を行っており、2009年10月の現況報告完成後、一般市民の意見や専門家の評価も取り入れて最終規則を作成したという。同規則は連邦公報での発表日から30日後に発効する。最終規則や現況報告その他関係資料はウェブサイト上で閲覧できる(関連情報参照)。【アメリカ海洋大気庁】