一般財団法人環境イノベーション情報機構
イギリス、酸性雨被害の状況は改善、しかし動植物の群集の回復には遠い道のり
【地球環境 酸性雨】 【掲載日】2010.08.31 【情報源】イギリス/2010.08.19 発表
イギリスの環境・食糧・農村地域省(DEFRA)は、酸性水モニタリングネットワーク(AWMN)が、酸性雨レポートを作成したことを発表した。レポートでは、イギリスの酸性雨対策は、被害減少の成果を挙げており、河川や湖の状況は、回復を開始していることを示している。しかし、良いことだけではなく、水質が回復する一方で、動植物の群集が完全に回復するためにはまだ長い道のりが残っていることを指摘している。例えば、酸性雨の被害を受けた多くの川や湖には、ブランウントラウトや鮭は生息していない。更に今後は、気候変動といった他の要因による動植物の群集への影響も増えてくることが予測されている。今後、酸性雨の原因となる有害物質の排出量は減少し続けると予測されており、被害を受けた川や湖の状態の回復は進むとしている。DEFRAは、この傾向を促進するために、EU国別排出量上限指令やヨーテボリ議定書などの国際協定においても重要な役割を果たしている。
DEFRAは、関係団体と共に、これらの調査を今後も継続的に行うとしている。【イギリス環境・食糧・農村地域省】