一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ海洋大気庁、五大湖のリン汚染による有毒藍藻類ブルームの研究開始
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2010.08.16 【情報源】アメリカ/2010.08.03 発表
アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、植物の成長に欠かせない栄養素のリンが、五大湖における有毒藍藻類のブルーム(大量発生)をどのように誘発するのか突きとめるプロジェクトの一環として、ニューヨーク州立大学ストーニブルック校に対し28万5895ドルを拠出した。このプロジェクトでは、エリー湖やオンタリオ湖で頻繁にブルームが発生する藻類種ミクロキスティスに着目。ミクロキスティスは人体に有毒な物質を発生させることがあり、飲用水等に与える問題が世界各地で深刻化している。富栄養化の中でも特にリンがこの藻類の過剰成長やブルームを促進していていることは以前から知られていたが、リンには複数の化学形態があり、測定が難しい。そのためプロジェクトでは、リンの特定の形態がミクロキスティスの成長や有毒化に関与しているのかどうか、リンの形態をコントロールすることでブルームや毒性を抑制できるかについて研究を行い、ブルームに最も影響を与えるリンの形態を特定することを目的としている。このプロジェクトについて、主任研究員であるゴブラー準教授は「リンには多くの種類があり、どれがブルームを起こすかを知ることが重要。沿岸管理者や地方自治体は、公衆衛生と沿岸生態系の保護のため、こうしたデータを必要としている」と述べた。プロジェクト終了後には、研究成果を共有するワークショップの開催も計画されているという。【アメリカ海洋大気庁(NOAA)】