一般財団法人環境イノベーション情報機構
ワシントン条約締約国会議 トラやサイの密猟対策について検討
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2010.03.24 【情報源】国連/2010.03.15 発表
カタールで開催される第15回ワシントン条約締約国会議において、危機的な状況にある野生のトラや、トラの密猟・違法取引について議論が行われる。1900年代初頭、トラはアジア全体で見られ、その数も10万頭を超えていたが、現在では、野生のトラは3200頭以下と推計されている。トラは、主に皮が目的で密猟されているが、体の様々な部分が装飾品や伝統的な薬品に利用され、絶滅の危機に瀕している。ワシントン条約の附属書Iにリストアップされ、国際的な取引から保護されているが、未だに違法取引の大きな被害を受けている。ワシントン条約関係国では、各国政府や国際機関、NGO等の協力によりトラを保護する「グローバル・タイガー・イニシアティブ」を展開しており、2010年10月には、ロシアでトラの保護に関する首脳級会合が開催される。
また、今回のワシントン条約締約国会議では、サイの密猟の増加、その角をめぐる違法取引対策についても検討する。トラとは異なり、サイは、1990年代初頭・半ばにかけて、個体数が増加。しかし、2000年代半ばに、ガンの治療に聴くという噂が広がり、インドや東南アジアでは犯罪組織による密猟が発生している。
ワシントン条約事務局はインターポールと連携し、各国にトラ等に関する犯罪の情報を提供するよう呼び掛けている。【UNEP】