一般財団法人環境イノベーション情報機構
UNEP 海洋生態系のCO2吸収力に関する報告書を公表
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2009.10.22 【情報源】国連/2009.10.14 発表
国連環境計画(UNEP)と世界食糧機関(FAO)、ユネスコ(UNESCO)は、世界の運輸部門が毎年、排出するCO2排出量の半分を、海藻やマングローブなどの海洋生態系が吸収・固定化していると推計する報告書「ブルー・カーボン:炭素固定化における健全な海洋の役割」を公表した。世界で生物が吸収するCO2のうち、半分以上は、海洋に生息する生物(プランクトン、海藻、塩水性の湿原の植物など)によって吸収されている。
一方で、こうした海洋生態系の吸収源は、毎年7%ずつ失われており、50年前と比べて、失われるスピードは7倍にもなるという。報告書では、海洋生態系の維持のために、さらに必要な対策が講じられなければ、大半は20年以内に失われる恐れがある と指摘。海洋生態系の喪失・悪化を食い止め、その回復力を活性化させることができれば、化石燃料の消費に伴うCO2排出量を3〜7%相殺することができるとしている。この効果は、大気中のCO2濃度を450ppmとするのに必要な削減量(世界気温の上昇幅を2℃以内に抑えるために必要)の10%以上に相当する見込み。【UNEP】