一般財団法人環境イノベーション情報機構
イギリス 2009年版環境に関する国民意識調査の結果公表
【環境行政 行政資料】 【掲載日】2009.10.02 【情報源】イギリス/2009.09.23 発表
イギリスで、2009年の「環境に関する国民の態度・行動調査」の結果が発表された。この調査は2009年春に、2009人対象の訪問インタビュー、1772人対象のオムニバス形式のインタビューとして実施された。調査の結果、家庭でのエネルギーや水の消費、リサイクル等について、イングランド市民がどのように考え、行動しているのかが明らかになった。結果の概要は以下の通り。
●環境に関する知識や態度:もう少し環境に役立つことをしたいと考えている人は47%と、2007年の43%から増加。また、環境にやさしい生活は大多数の人が選べる生活ではない という考えについては、51%の人が反対(2007年は30%が反対)するなど、エコライフがメジャーになってきている状況がうかがわれる。
●家庭での取り組み
・ガスや電気の消費量を減らしている家庭は76%と、2007年の58%から増加。また、2重窓にしている家庭は89%、家庭での省エネ電球の利用率は平均60%だった。一方、ソーラー発電や太陽熱、バイオマス暖房、ヒートポンプなど自宅でエネルギーを生産している家庭は1%にとどまった。
・節水に取り組んでいる人は69%。歯磨きの間に蛇口を止めている人は66%、風呂の代わりにシャワーを使っている人は68%に上った。
・家庭用品を購入する際に省エネマークをチェックする人は71%。また、過剰包装が原因でモノを買うのを止めたことがある人は30%、環境に配慮した製品のために支払いが高くなってもよいとする人は46%だった。旬の食材を買うと答えた人は60%に上った。
・捨てる代わりにリサイクルすると答えた人は91%(2007年70%)、リサイクルは義務だと考える人も88%に上った(2007年より約10%増加)。一方で、購入時にリサイクルできるかチェックしない人という人も63%に上った。
・自動車の利用については、短い定期的な移動の場合、徒歩や自転車に切り替えたという人は62%、公共交通機関の利用に切り替えたという人は26%に上った。また、省エネドライブを心がけているという人は78%だった。
・カーボンオフセットについて多少知っていると答えた人は37%、名前だけは聞いたことがある、または聞いたことが無いという人は59%に上った。なお、知っていると答えた人の6%は既にカーボンオフセットを利用したことがあるという(2007年の3%から増加)
・イギリス国内や世界の生物多様性の喪失について考えたことがある人は45%。一方で、世界の野生動植物種の減少を心配している と答えた人は85%に上った。なお、自分の家の庭で、餌場をつくる、植物を植えるなど野生生物に適した空間を作っていると答えた人は67%にも上った。
・ボランティア活動に参加している人は2007年の42%から減少して、32%となった(環境関連の15の主要ボランティア組織の会員になっている、定期的な寄付をしている人)。この1年間で環境保護団体や学校、宗教団体などでボランティア活動をしたという人も、2007年の34%から、19%に減少した。【イギリス環境・食糧・農村地域省】