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環境ニュース[海外]

欧州委員会 環境損害の予防及び回復のための責任スキームを採択

環境行政 その他(環境行政)】 【掲載日】2002.02.01 【情報源】EU/2002.01.23 発表

 欧州委員会は環境損害の予防及び回復を目的とする、環境責任に関する指令案を採択した。指令は、人間の健康に重大な危害を与えるような水質汚染、土壌汚染及び生物多様性の損傷を対象としている。
 特定のリスクを有する又は潜在的なリスクを有する事業者(付属書Iに列挙)で、環境損害を引き起こした者は、損害を回復するか、あるいは回復コストを負担する義務を負う。なお、生物多様性については、過失により損傷を与えた場合、全ての事業者が同様に損害を回復する義務を負う。
 予防の面では、事業者が環境損害を引き起こすおそれのある状況を作り出した場合、その状況によって損害が発生しないように予防的措置をとらなければならない。
 当局は事業者に必要な予防又は回復措置を要求することができ、費用は事業者の負担となる。当局自身あるいは第三者機関が予防又は回復措置を実施することもできるが、この場合、汚染者負担原則に則り、費用を責任のある事業者から回収しなければならない。
 最後に提案は国境を越えた損害、融資の保証、国内法との関係、再検討のレジームに関しての条項を含んでいる。損害を受けた個人と並んで、資格ある団体(NGOを含む)は当局に適切な行為をなすことを要求でき、当局の作為、不作為を争うことができる。
 なお、提案はいくつかの例外と抗弁を用意しており、法的確信がある場合及び技術革新が行われていた場合には正当とされる。例えば、許可された排出は責任を生じさせない。また、事故時の科学・技術的知見で環境に安全とされていた活動及び排出はこの提案の対象外である。しかし、特定の場合、過失ある事業者はこの例外を頼ることはできない。
 事業者の破産は汚染者負担原則に沿った費用回収の障害となるが、潜在的損害に対する資金保険を準備することでこの影響を緩和することができる。
 この提案では、加盟国は自由に適切な資金的保証の準備を実施することとなっている。
 この提案は本年3月の環境閣僚理事会に提出される。欧州議会、閣僚理事会を通過するのに2、3年を要すると見られている。最終的に採択されると、加盟国は2年以内に国内法化しなければならない。【欧州委員会】

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