一般財団法人環境イノベーション情報機構
UNEP 砂漠化防止プログラムの成果を公表
【地球環境 砂漠化】 【掲載日】2009.06.24 【情報源】国連/2009.06.17 発表
6月17日は「世界砂漠化・干ばつ対処の日」。国連環境計画(UNEP)は、砂漠化や土壌劣化を食い止めるため、アフリカ諸国で実施されている「砂漠周辺プログラム(Desert Margins Programme)」の成果をまとめた報告書を公表した。このプログラムは、UNEPと国際半乾燥地熱帯作物研究所(ICRISAT)がアフリカ9カ国で実施しているもので、2002年から地球環境ファシリティ(GEF)の支援を受けている。プログラムの成果として、市場価値の高い「サヘルリンゴ」を植樹して土壌劣化や砂漠化を防止した事例(セネガルなど)、土壌の水分含有量の改善、低木管理のための新技術を導入して、段々畑を造成し、砂漠の緑化に成功した事例(ケニヤ)などが取り上げられている。報告書は、このプログラムのように、近代科学と先住民族の伝統的な知識を組み合わせた最新技術が、砂漠化を防ぐためのグローバルなモデルになるとしている。
UNEPのシュタイナー事務局長は、「土地の劣化により、100カ国、10億人近くの人々が脅かされており、世界の陸地の約3分の1が、砂漠化に見舞われていると推計される」と指摘。その要因の一つである地球温暖化について、12月のコペンハーゲン会議での合意を呼びかけるとともに、砂漠周辺プログラムのような取り組みを拡大していく必要があると強調した。【UNEP】