一般財団法人環境イノベーション情報機構
漂流・漂着ゴミ対策にも 市場ベースの措置を
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2009.05.25 【情報源】国連/2009.05.13 発表
潮流・漂着ゴミを削減するために、各国政府や地方自治体が補助金や課徴金など、市場ベースの手法を取り入れる例が増えてきていることが、国連環境計画(UNEP)の委託報告書によって明らかになった。この報告書「漂流ゴミ対策としての市場ベースの手法の利用に関するガイドライン」は、5月13日、インドネシアで開催中の世界海洋会議で公表されたもの。
報告書では、様々な事例が取り上げられており、例えば、ハワイでは、漁業者が、海上を漂っている不要な漁網を見つけて通報すると報奨金を支払う制度を導入し、2年間で約75トンの漁網を回収するのに成功したという。アイルランドでは、レジ袋一枚に付き、0.15ユーロを課税し、レジ袋の消費量を90%も削減した。
また、グリーン調達の事例として、アメリカの多くの国立公園では、生分解性の皿やコップの使用を義務付けるとともに、お客さんから要望が無い限り、ストローを提供しないようにしているという例が挙げられている。
報告書では、漂流・漂着ゴミ問題に対処するため、廃棄物処理インフラへの投資、街路や駐車場から水路にゴミが入るのを防止・削減する戦略づくり、NGOや企業、政府・地方自治体、市民、漁業関係団体などの協力の強化、漂流・漂着ゴミを除去しているボランティア活動の促進・支援などを勧告。また、市場ベースの措置の中でも、漂流ゴミ対策としては、デポジット制度、利用者負担金や課徴金、売上税等が最もふさわしいとしている。【UNEP】