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環境ニュース[海外]

UNEP 2009年年次報告書を公表

環境行政 行政資料】 【掲載日】2009.02.25 【情報源】国連/2009.02.16 発表

 UNEPは、2009年の年次報告書を公表。地球規模でのグリーンニューディールの必要性、低炭素経済や資源効率的なグリーン経済への移行を急ぐ必要性を訴えた。
 「UNEP イヤーブック2009」は、(1)生態系マネジメント、(2)有害物質・有害廃棄物、(3)気候変動、(4)災害と紛争、(5)資源効率、(6)環境ガバナンスという6章で構成。現状のデータや懸念される動向を示す一方で、先進国や途上国で既に実施に移されている革新的なアイデアなども紹介している。
 地球温暖化については、北極の海氷面積が縮小し、2008年夏には観測史上2番目に小さくなってしまったことを指摘。北極海では、太平洋と大西洋を結ぶ航路として、2007年・2008年と「北西航路(カナダ北極諸島経由)」が開通し、さらに2008年には「北極海航路(シベリア沿岸経由)」も開通。2つの航路が同時に開通したのは、直近の氷河期が始まる前以来、約10万年ぶりだという。北極の氷や永久凍土の融解により、メタンなどの温室効果ガスの増加も懸念されている。
 さらに、吸収源に関する懸念として、海洋のCO2吸収量が減少してきていること、森林でも気温の上昇がストレスとなって、夏期の炭素固定量が低下するおそれがあること、また、こうしたストレスで樹木の汚染や病気への耐性が低下し、炭素固定能力がさらに低下するおそれがあることが指摘されている。
 また、生態系については、食糧・農作物需要の高まりを背景とした農地の増加と森林の減少、1960年代以降の商業漁業による漁業資源の減少など、引き続き悪化傾向にあることを指摘。特に、バイオ燃料の生産が、生態系、食糧生産、貧困などに及ぼす影響に懸念を示した。一方で、食糧生産は様々な生態系サービスの中の一つと位置づけ、土地や景観を「モザイク」のように管理するアプローチを提示。欧州の草原管理やアメリカでの先住民族による林地管理など、地域によっては1000年前から取り入れられている「生態系マネジメント」という概念を取り上げている。【UNEP】

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