一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州委員会 環境法令実施の改善を提案
【環境行政 法令/条例/条約】 【掲載日】2008.12.01 【情報源】EU/2008.11.18 発表
欧州委員会は、環境保護に関する約200本のEU法令の実施を改善する計画を打ち出した。協議文書では、各国が期限を守って正確に法令を実施し、共通の目標を効率的に達成するため、EU加盟国の緊密な協力の必要性を強調している。違法埋立の容認、都市廃水の処理の失敗といった深刻な問題が続いていることから、欧州委員会としては、個別のアプローチよりも戦略的な法的措置が好ましいとしている。
EUの環境法令は、各国の様々な自然条件、行政機構等に応じて適用される必要があるが、各EU加盟国においては、国内法制化の期限と正確さに対する注意が不十分、国内・地域行政における知見・意識の不足、行政的な能力の不足、国内・地域の執行政策とその実行の弱さ、汚染削減に必要な基盤整備に対する投資不足・遅延といった問題点が指摘されている。
これに対し、欧州委員会は、違反の予防(適切な法令の立案、情報提供)、市民やNGOに焦点を合わせて問題を解決するため加盟国と協働すること、執行業務をより戦略的、集中的に行うこと、欧州議会との対話を行うことを提案している。
なお、この計画は、EU法の実施の改善に関する欧州委員会の2007年の戦略に沿い、共同体法一般の適用の監視に関する年次報告書にも一致するものである。【欧州委員会環境総局】