一般財団法人環境イノベーション情報機構
ミツバチやチョウ 受粉に役立つ生物を守るプロジェクトがスタート
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2008.09.01 【情報源】国連/2008.08.08 発表
ミツバチやコウモリ、鳥など、農作物の受粉を助け、世界の食糧生産に欠かせない生物を守る新しいプロジェクトが発表された。このユニークな「エコシステムアプローチを通した持続可能な農業のための授粉生物の保全・管理」プロジェクトは、5年間の計画で、UNEPを通じて実施される。事業費は2645万ドル、うち780万ドルを地球環境ファシリティが提供する。
この数ヶ月間、ミツバチなど重要な授粉生物の減少や衰退が、科学専門誌やニュースで報じられている。病気、農薬の使用、生息地の喪失や減少、モノカルチャー化、外来種の導入などが、こうした生物への大きな脅威となっていると考えられるが、農業者だけでなく、環境保護関係者の間でも懸念が高まっている。
鳥やハチ、チョウなどの授粉生物は、食糧生産に欠かせず、世界の作物の35%に影響を及ぼしているとされる。また、生物多様性の保全など生態系サービスを維持し、気候変動などの外部的な要因に自然が適応するのを手助けしている。
今回のプロジェクトでは、(1)授粉生物の保全と持続可能な利用のためのツールや方法論、戦略などの開発と実施、(2)授粉生物の個体数の減少を緩和し、持続可能な管理方法を確立するために、地域レベル、国レベル、地球レベルでの対策の計画・実施能力の構築、(3)授粉生物の保全及び持続可能な利用に関する国際的な活動の調整の促進 などに取り組んでいく予定。【UNEP】