一般財団法人環境イノベーション情報機構
UNEP 新たなオゾン層破壊物質の登場に警告
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2001.09.27 【情報源】国連/2001.09.14 発表
UNEPは、ハロン1202、n-propyl bromide といった新たなオゾン層破壊物質の出現に警鐘を鳴らしている。これらの物質は、モントリオール議定書で禁止されているオゾン層破壊物質の代替物として使用されている。このため、いまだモントリオール議定書の規制対象となっていない。現時点では、製造量は少ないと考えられているが、世界中の科学者達は、UNEPの研究者達と同様に、このままいけば、増加してしまうと懸念している。
UNEPは、オゾン層および南極大陸上部のオゾン・ホール(この9月時点で、2,400万平方キロメートルに及んでいる。これは、北アメリカの面積と同じくらい)は、2050年までに回復すると見込んでいた。これは、クロロフルオロカーボン(CFCs)などの既存のオゾン破壊物質の禁止および段階的禁止の結果である。しかし、新たな化学物質の出現により、回復の見込みが著しく遅れるのでは、と懸念している。
UNEP事務局長のKlaus Toepfer氏は、「諸国家に対し、これらの新規化学物質の科学的な影響評価を直ちに行い、オゾンを破壊する可能性を示すものは禁止するよう促す。最終的に、政府、産業界およびUNEPのような組織は、信頼できる科学に基づき、市場に出る前にオゾンを破壊する可能性のある物質を前もって知ることができるよう、協同して長期的な戦略を立てなければならない」と述べている。【UNEP】