欧州委員会、「ヨーロッパ環境賞2000」を授与

【環境行政 その他(環境行政)】 【掲載日】2001.04.04 【情報源】EU／2000.12.05 発表

　欧州委員会は、12月5日、持続可能な発展の分野で特に革新的な４つの企業に「ヨーロッパ環境賞2000（the European Awards for　Environment2000）」を授与した。同賞は、マネジメント、製品、技術、国際協力という４つのカテゴリーにそれぞれ与えられる。
　マーゴット・ヴァルストローム環境委員は「製品の生産過程、使用過程において資源の節約を進めることで、持続可能な発展と競争力の確保を両立させることができる　ということを受賞企業は示している」と賞賛した。
　今回のヨーロッパ環境賞には、ヨーロッパの80以上の企業が参加し、選考委員会によってノミネートされた13企業から受賞者が決定された。次回、2002年の環境賞については、欧州内企業の全分野を対象とし、EU加盟申請国の企業も取り込みたい、と同環境委員は述べた。
　各カテゴリー、受賞者と取組の概略は以下のとおり。

（カテゴリー1）　持続可能な発展のためのマネジメント
　　BRODRENE HARTMANN A/S（デンマーク）−地球規模のライフサイクルを基にしたマネジメントモデルの開発−
　デンマークの成形パルプ容器の会社がライフサイクルを基にしたマネジメントモデルを開発。このモデルは「STEP（Systematic Tool for Environmental Progress）」と呼ばれ、継続的なパフォーマンス評価と関係者との対話を行う。

（カテゴリー2）　持続可能な発展のための製品
　　AGVA-GEVERT NV（ベルギー） ―化学物質不使用の医療画像システムの開発―
　ベルギーの画像会社は、「Drystar system」という化学物質不使用の新しい医療画像システムを開発した。この技術によって、液体の化学物質を使う代りに感熱フィルムを用いて医療用画像を得ることができる。画質は従来のものと同様だが環境負荷は小さい。


（カテゴリー3）　持続可能な発展のための技術
　　LENZING LYOCELL Ges.m.b&Co.KG（オーストリア）―セルロース繊維生産における新時代の開発―
　オーストリアの繊維生産会社が100%セルロースベースの木材繊維の生産技術を開発した。綿と比べ、この生産プロセスを経ると木材の消費量を大きく削減することができ、使用される触媒の99.6%はリサイクル可能である。

（カテゴリー4）　持続可能な開発のための国際協力
　ENTEC Ltd（イギリス）−エジプトにおける環境マネジメント及びアセスメントの支援−
　イギリスの環境・エンジニアリングコンサルタントが、イギリスを代表して、エジプト環境庁と共に環境マネジメントおよびアセスメントに関する支援プロジェクトを実施。主な目的はエジプトの環境マネジメント能力の強化、環境に配慮した手法がもたらす便益を証明することであった。
【欧州委員会環境総局】