一般財団法人環境イノベーション情報機構
UNEP 世界初 大型類人猿の生息地図を公表
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2005.09.16 【情報源】国連/2005.09.01 発表
UNEPの世界保全モニタリングセンター(WCMC)によって、世界初の「大型類人猿とその保全に関する世界地図」が公表された。これは、6種の大型類人猿(ヒガシローランドゴリラ、ニシローランドゴリラ、チンパンジー、ボノボ、スマトラオランウータン及びボルネオオランウータン)に関する最新の研究・観察情報をまとめたもの。大型類人猿が生息している23の国々について、国別のアセスメントが示されている。これらの国々は、世界で最も貧しい国々が多く、大型類人猿の存続のためには、国際的な協調行動が求められている。現在の状況が続けば、2032年までにオランウータンの99%、ゴリラの90%、チンパンジーの92%、ボノボの96%が人間による開発の影響を受けるとされる。
また、この地図により、大型類人猿の生息地の国々が貧しいことに加え、狩猟肉や子供の販売、生息地の破壊・分断、エボラ出血熱などの病気により、大型類人猿が存続の危機に瀕していることが示された。
なお、9月5日〜9日には、コンゴのキンシャサにおいて、国連大型類人猿存続計画(GRASP)の政府間会合が開催され、優先個体群のリストなどについて検討する。【UNEP】