欧州委員会、地域への補助金を承認

【環境行政 その他(環境行政)】 【掲載日】2001.04.04 【情報源】EU／2000.01.11 発表

　欧州委員会は、フランス、ドイツにおける地域開発プログラムを承認した。これらのプログラムは、構造改革を進めつつ開発することで雇用創出、地域格差是正を目指すものであるが、持続可能な発展を目標にしているため環境の観点も取り入れられている。プログラムの内容に応じて、欧州地域開発基金（The European Regional Development Fund：ERDF）、欧州社会基金（The European Soial Fund：ESF）、欧州農業指導保証基金（The European Agricultural Guidance and Guarantee：EAGGF）などの構造改善基金から支援が行われる。
　各地域開発プログラムにおける環境関連事項は以下のとおり。

●フランス　ピカルディ地区　事業総額11億3800万ユーロ
環境関係：優先事項の一つとして、自然地区での生物多様性保全、地域の遺産保全を掲げる。具体的には、廃棄物管理、エネルギー管理などが盛り込まれている。また、田園地域の遺産を保全、強化、回復し、環境保全や自然災害防止により貢献できるようにすることにも言及している。

●フランス　下ノルマンディ地区　事業総額7億8600万ユーロ
環境関係：目標の中で、生活の質、地域の連帯を強化することで、下ノルマンディーの持続可能な発展に貢献することを掲げる。

●フランス　シャンパーニュ・アルデンヌ地区　事業総額4億5700万ユーロ
環境関係：優先事項の一つとして、環境保全を掲げ、水質及び大気質の改善、騒音の削減、廃棄物の選別、自然環境の強化に重点を置く。また、洪水防止、生物多様性の保護も考慮されている。この他、自然公園の発展、農業者の地域環境問題への参加促進についても言及。

●フランス　フランク・コント地区　事業総額4億3300万ユーロ
環境関係：生活の質の向上の中で、環境の保護、改善が挙げられている。

●フランス　ラングドック・ルズィロン地区　事業総額11億1720万ユーロ
環境関係：優先事項の中に、環境への影響を慎重に考慮に入れ、観光活動がなされるようにすることが盛り込まれている。

●フランス　プロヴァンス・アルプス・コートダジュール地区　事業総額13億3810万ユーロ
環境関係：優先事項の一つとして「環境にやさしい開発の促進」を掲げ、廃棄物の削減、エネルギーの効率的利用、大気質の改善、自然環境の保護などが盛り込まれている。>

●フランス　リムジン地区　事業総額5億7530万ユーロ
環境関係：優先事項の一つとして「環境の質の維持と向上」を掲げ、リムジン地区の魅力を訴え、雇用を創出するため地区の良質な環境を保存し、強化することを盛り込む。

●フランス　ロレーヌ地区　事業総額5億700万ユーロ
環境関係：優先事項の中で、雇用効果を持つ事業開発のため、この地域の自然遺産を活かすことが述べられている。また、交通の要衝に当たるこの地域の課題として、環境、資源管理が挙げられている。

●フランス　ローヌ・アルプス地区　事業総額15億8380万ユーロ
環境関係：優先事項の中で、脆弱な自然地域である高原地帯の管理に対する支援が盛り込まれている。


●フランス　上ノルマンディー　事業総額6億7590万ユーロ
環境関係：優先事項の一つとして「環境改善と保護の促進」を掲げ、自然資源と田園の保護、産業のリスク管理、汚染削減などに重点を置く。

●ドイツ　ブランデンブルク州　事業総額70億ユーロ
　ブランデンブルク州は旧東ドイツに属し、未だに、旧西ドイツ地域の収入、雇用等の面で追いついているとは言えない状況にある。環境関連事業としては、欧州地域開発基金からの支援等により、中小企業の環境対策（廃棄物管理、公害防止等）などに取り組む。【欧州委員会環境総局】