一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ環境保護庁、セメント工場の水銀排出に初の規制
【水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2010.08.20 【情報源】アメリカ/2010.08.09 発表
アメリカ環境保護庁(EPA)は、セメント製造時における水銀や粒子状汚染物質等の排出を規制する最終規則を近く発令する。セメント工場は水銀による大気汚染に関して国内第3の排出源。今回の規則により、既存のセメントキルンから大気中に排出される水銀に対して、国内初の排出上限値が設定される。新規に設置されるキルンに対しては規制値が強化され、酸性ガスの排出も規制される。粒子状汚染物質については、キルンの既存・新規を問わず排出上限値が設定される。粒子状物質やスモッグを形成する窒素酸化物および二酸化硫黄の上限値は、新規のキルンが対象となる。EPAは、この規制が完全実施される2013年の年間排出量の削減分を、水銀は92%(1万6600ポンド)、粒子状物質は92%(1万1500トン)と見込んでいる。水銀は子どもの脳の発育を損ない、粒子状物質は喘息や心臓病など多くの疾患を起こすとされており、EPAはこの規則導入により、2013年には、規制実施に必要とされる年間コスト9億2600万ドル〜9億5000万ドルに対し、健康面と環境面を合わせた便益は年間67億ドル〜180億ドルに上ると試算している。【アメリカ環境保護庁(EPA)】