一般財団法人環境イノベーション情報機構
環境観測技術衛星ADEOS−2のオゾン層観測センサが南極のオゾン層破壊をキャッチ
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2003.09.08 【情報源】環境省/2003.09.08 発表
環境省は2003年9月5日、環境観測技術衛星「ADEOS−2(みどり2)」に搭載された環境省のオゾン層観測センサ「改良型大気周縁赤外分光計2型(通称ILAS−2)」から「2003年の南極でのオゾン層破壊の様子が捉えられた」と発表した。「ADEOS−2」は地球上の水・エネルギーや炭素の循環を解明するために日本の宇宙開発事業団(NASDA)が2002年12月に打ち上げた衛星。またILAS−2は環境省が開発し、オゾン層の破壊に関わる多種類の物質の高度分布を同時に観測することができるセンサで、現在順調にデータが取得されている。
公表されたILAS−2によるオゾン層の観測結果によれば、2003年の南極ではすでに8月末の段階で、この時期としては過去最大規模のオゾン破壊が起きていることが確認されたほか、オゾンホールの形成を促進する極成層圏雲も5月後半以降大量発生していることが観測されているという。
なお極成層圏雲は気温がマイナス85℃程度以下まで低下することが発生条件だが、2003年の南極上空の成層圏の気温はオゾンホールが顕在化した1980年代以降で最も低温で推移しており、気象庁でも「2003年のオゾンホールは大規模に発達する見込み」と予測している。【環境省】