一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境ニュース[国内]

水産業の多面的な機能を経済的に評価 環境保全機能だけで4兆5,111億円の価値

環境一般 調査/研究】 【掲載日】2003.05.16 【情報源】水産庁/2003.05.15 発表

 水産庁の「多面的機能評価等検討委員会」は平成15年5月15日までに、水産業や漁村の持っている多面的な機能を定量的(経済的)に評価した調査報告書をまとめた。
 水産業は水産物を供給するという本来的な役割のほかに、漁村に漁業者が居住し、漁業生産活動が継続的に行われることによって、(1)海から陸への物質循環、環境保全、(2)海難救助・防災、(3)保養・交流・学習の場の提供、(4)伝統文化の継承−−などの幅広い分野への貢献するという多面的な機能を持っている。
 今回の報告書はこれらの多くの機能の内容を整理するとともに、貨幣評価が可能と考えられた機能については評価額の算出を試みた。
 環境保全機能については、二枚貝による水質浄化能力を下水処理のランニングコストに置き換えた評価額(1年で3兆1,200億円)、干潟による水質浄化能力を下水処理のCOD除去コストに置き換えた評価額(1年で4,052億円)、藻場による水質浄化能力を下水処理窒素リン回収コストに置き換えた評価額(1年で7,410億円)、漁民による海浜・漁港、海底の清掃活動をゴミ清掃費用に置き換えた評価額(1年で1,602億円)−−などが算定され、水産業で得られている環境保全の機能が計4兆5,111億円分の価値があるとの評価がされた。なお海難救助、災害時救助など他分野の評価とあわせた水産業の貨幣的評価額の合計は9兆2,052円に達していた。【水産庁】

情報提供のお願い(企業・自治体の方へ)

記事に含まれる環境用語

プレスリリース

関連情報

関連リンク