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環境ニュース[国内]

原子力施設への告発情報2件について調査結果を公開 15年4月9日までの調査終了分

エネルギー 原子力】 【掲載日】2003.04.10 【情報源】原子力安全・保安院/2003.04.09 発表

 原子力安全・保安院内に設置された「原子力施設安全情報申告調査委員会」は平成15年4月9日、同委員会に寄せられていた原子力施設に関する告発情報のうち、裏付け調査が完了した案件について調査結果の公開を行った。
 「原子力施設安全情報申告調査委員会」は関係者の内部告発がきっかけで、原子力発電所の自主点検記録についての一連の不正が発覚したことを受け設置された組織。外部専門家により構成され、保安院に寄せられた個々の告発情報の対応方針を決める権限を持ち、この方針に基づいて原子力安全・保安院の担当官が行った調査内容が適切であるかチェックを行うことになっている。
 今回公表された告発情報は平成15年4月9日までの間に原子力安全・保安院に情報が寄せられ、裏付け調査が完了したもので、(1)国内で稼働中の8原発で1次系の耐圧部、緊急炉心冷却装置(ECCS)などが許容応力を越えているとの指摘、(2)沸騰水型軽水炉の中性子モニタリング装置の一部核計装検出器・信号ケーブル間のコネクターの交換頻度がメーカーの耐環境試験で保証された期間を超えている可能性があるとの指摘−−の2件であった。
 (1)の告発では申告者が指摘していた8原発はいずれも、昭和55年の「発電用原子力設備に関する構造等の技術基準」の改訂前に設計・建設されたもので、申告者は改訂後の技術基準に合致しておらず違法性があることを指摘したものと思われる。
 これに対し原子力安全・保安院は「基準改訂時に従来の技術基準に準拠して建設されたプラントへの遡及適応を求めないとしており、違法性は生じない」と説明。また、技術基準の改訂自体、許容応力の計算手法を合理化しただけで「安全上問題はない」と結論した。
 一方(2)の告発に対しては、「中性子モニタの機能は保安規定に基づき健全性が定期的に確認されている上、コネクターの不具合が発生した場合には交換する方針となっている。また実用発電用原子炉はあらゆる安全機能の期待に適合できる設計を行うとする『安全設計審査指針』に基づいた設計がされており、こちらも「安全上には問題がない」と結論。ただし、現状では指摘されたメーカーの保証期間自体が明示されていない状況なので、電気技術指針(JEAG)、電気技術規程(JEAC)などの民間規格で、コネクター、電磁弁などの電気機器類の耐環境性の規定を今後統一的に整備することが望ましいと指摘した。【原子力安全・保安院】

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