一般財団法人環境イノベーション情報機構
日立製作所、南アフリカで海水淡水化・水再利用統合システムの実証事業を開始
【水・土壌環境 その他(水・土壌環境)】 【掲載日】2016.11.24 【情報源】企業/2016.11.18 発表
日立製作所は、南アフリカで海水淡水化・水再利用統合システムの実証事業を始める。省エネ・低環境負荷を特長にする自社システム「RemixWater(リミックスウォーター)」の海外初号機を導入し、設備設計、建設、運転を行う。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業で、期間は2020年11月までの4年間だ。実証事業は南アフリカ第3の都市で人口約360万人のダーバン市で実施する。同市で11月17日にNEDOと同市が覚書締結セレモニーを開いた。同市は都市部への人口集中などで水不足が深刻化しているうえ、電気料金の高騰から省エネ型造水システムが求められている。実証では既設下水処理場に、1日6250m3の造水量があるリミックスウォーターを設置する。
造水の安定性と水質の飲用基準達成に加え、従来の海水淡水化システムと比べて約30%の省エネと低環境負荷性能の実現を目指す。リミックスウォーターは海水淡水化と水再利用のプロセスを統合した。普及しているRO(逆浸透圧法)膜での海水淡水化システムは脱塩工程で高圧送水が必要になり、一般的にポンプの電気代が運転コストの半分を占める。
海水より高濃度の塩水が常に排出され、環境への影響も懸念される。リミックスウォーターは水再利用プロセスでRO膜から排出される水を海水と混合して塩分濃度を下げ、RO膜を通過させるための逆浸透圧を低下させる。これによって脱塩工程のポンプ圧力が約40%下がり、省エネを可能にする。海に放出する濃縮水の塩分濃度も海水とほぼ同じになる。【株式会社日立製作所】