一般財団法人環境イノベーション情報機構
NEC、生物多様性保全が目的の「田んぼ作りプロジェクト」で、面積を拡大
【自然環境 身近な自然の保全】 【掲載日】2016.05.20 【情報源】企業/2016.05.17 発表
NECは、生物多様性保全と、グループ社員・家族の環境意識向上を目的にした「NEC田んぼ作りプロジェクト」の2016年度の活動を5月21日に茨城県牛久市の水田で始める。2016年度は耕作面積を600m2拡大して、3000m2で稲作を行う。荒廃した雑木林を縮小し、生物多様性の効果を測定する指標の1つになっているトキのエサの量を増やす。NEC田んぼ作りプロジェクトは、稲作から酒造まで1年を通して体験する参加型プログラムで、牛久市や酒造会社、環境NPOと連携して2004年から展開している。これまでに延べ1万2600人の社員と家族が参加した。2016年度は荒廃した土地を人が列になって歩く「踏耕」で耕作面積を広げた。踏耕は機械と違って土中の生物を死滅させない。
トキ1羽は年間約75kgのドジョウ、ヤゴ、カエルなどのエサを必要とし、そのためには1m2あたり3.26gのエサを生み出す田にする必要がある。プロジェクトはこれを上回る同4gを目標に、機械に頼らない踏耕で、荒廃地を生物が住みやすい湿地帯に再生し、2011年度の同1.5gを2015年度に同4.691gに引き上げた。今後もエサの量を増やす。
2016年度の活動は5月21日の田植え、7月の草取り、9月の稲刈り、10月の脱穀、2017年1月の酒仕込み神事、2月の復田、3月の新酒蔵出しと続く。太陽電池駆動システムで気温や風速などのデータを蓄積・分析し、生態系の観測や生物多様性の保全を図る。このプロジェクトは国連生物多様性の10年日本委員会の連携事業に認定されている。