一般財団法人環境イノベーション情報機構
国環研 体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間を推定
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2013.09.02 【情報源】国立環境研究所/2013.08.30 発表
国立環境研究所と東京家政大学の研究チームは、平成25年8月30日、健康な生活を送るのに必要不可欠な成人の1日のビタミンD摂取量の指標とされる、5.5μgすべてを体内で生成するとした場合に必要な日光浴の時間を、日本の3地点である札幌、つくば、那覇について、季節や時刻を考慮した数値計算を用いて求め公表した。公表によると、両手・顔を晴天日の太陽光に露出したと仮定した場合、紫外線の弱い冬の12月の正午では、那覇で8分、つくばでは22分の日光浴で必要量のビタミンDを生成することができるものの、緯度の高い札幌では、つくばの3倍以上の76分日光浴をしないと必要量のビタミンDを生成しないことが判明したとしている。
研究チームでは、紫外線を浴びすぎるとシミやしわ、皮膚がんの原因となることから、最近極度に紫外線を嫌がり避ける風潮も一部で見受けられるが、WHO等が定義している最少紅斑紫外線量(皮膚に紅斑を起こす最少の紫外線量)に達するまでの時間を試算すると、必要なビタミンDを生成する紫外線照射時間の約4〜6倍と十分余裕があることから、この範囲内で適度な日光浴を行い、十分な量のビタミンDを補給することが、健康な生活を維持するためには必要との見解を示している。【(独)国立環境研究所】