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環境ニュース[国内]

富士通、グループ事業所敷地の生物多様性保全状況を定量評価する手法を確立

自然環境 生物多様性】 【掲載日】2011.10.06 【情報源】企業/2011.09.29 発表

 富士通は、グループの事業所敷地での生物多様性の保全状況を定量的に評価する手法を確立した。保全する野生生物を選び、その生物の生息のしやすさから事業所の敷地を評価する。今後、この手法を使って生物生息環境の保全策を立案して実施し、周辺の環境に合わせながら生物多様性の保全を進めていく。地域の生態系ネットワークを構築することが狙いとなる。

 生物多様性の保全活動の効果測定に必要となる土地の利用状況に関する定量評価の方法を開発した。専門家でなくても理解しやすい土地利用の診断シートを作り、容易に評価できるようにするとともに、周辺環境との生態系ネットワークの構築適合性の視点を盛り込んだ。診断シートによって生物の採食条件、水条件、行動・休息条件、繁殖条件に関して生息地としての適性度の度合いを評価する。

 川崎市中原区の川崎工場に適用して評価した。工場は15haの広さがあり、多摩川と、多摩川の河岸段丘の斜面林の間に位置する。河岸段丘は川の流れに沿って発達する階段状の地形を指す。保全する野生生物にシジュウカラ(樹林)、オオカマキリ(草地)、カワセミ(水辺)を選び、敷地内で各条件から生息地の適性度と周辺の生息環境の連続性を調べた。

 そのうち、シジュウカラでは、採食、水場、生息・休息、繁殖空間の安全性が低いことが分かり、保全のため立ち入り禁止エリアの設定を検討することにした。シジュウカラから見た連続性では、多摩川とは認められたが、斜面林とはみられなかった。富士通は、グループの生物多様性行動指針を2009年8月に策定して取り組みを強化している。手法の開発はその一環で、この手法を使って国内の他の事業所の敷地を評価し、生物多様性保全を進める。【富士通(株)】

提供:ECO JAPAN(日経BP社)

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