一般財団法人環境イノベーション情報機構
第46回ITTO理事会開催 2006年協定の発効決議案を採択
【地球環境 森林の減少】 【掲載日】2010.12.24 【情報源】林野庁/2010.12.21 発表
林野庁は、2010年12月13日から18日まで、横浜市西区みなとみらいのパシフィコ横浜で第46回国際熱帯木材機関(ITTO)理事会が開催されたと発表。ITTOは熱帯林保有国の環境保全と熱帯木材貿易の促進を両立させることによって、熱帯林を持つ開発途上国の経済的発展に寄与することを目的とした機関。
持続可能な森林経営に関する政策立案活動と造林・森林経営、林地復旧、人材養成などの具体的なプロジェクト活動を行っている。
今回の理事会では、[1]2006 年の国際熱帯木材協定(新協定)の発効、[2]国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)における森林に関する議論の報告、[3]国際生物多様性年及び国際森林年、[4]個別プロジェクト等への拠出−−などが議論された。
このうち[1]では、本年12月時点の新協定の締結国数は53か国と昨年9月末時点の25カ国からは大幅に増加したが、依然として確定的発効条件を満たしておらず、現時点で新協定を発効させた場合、特に熱帯木材生産加盟国の分担金負担が増加することから、多くの国が新協定の発効の先送りを求め、次回の理事会で再度議論することとなった。
[2]については、森林と気候変動の緩和・適応に関するUNFCCCにおける議論の進捗について報告があった。また、森林の減少・劣化からの排出削減(REDD)における ITTOの活動と役割についての提案があり、これに関し、(ア)ITTOが気候変動対策の分野において高い潜在能力を持っていること、(イ)投資を促進させるために気候変動対策へ関心の高い民間セクターへのITTOのPR活動が必要であることなどの報告があった。
[3]については、ITTOにおける2010年国際生物多様性年の活動報告及び2011年国際森林年の活動計画について説明がなされた。また、日本は国際森林年において積極的に活動を行う方針であることとともに、ITTOとも連携して取り組んでいきたい旨表明した。
[4]については、各国から10件の個別プロジェクトに総額328万ドル(うち日本は217万ドル)の拠出表明があった。また、気候変動対策等の4つのテーマ別プログラムに合計543万ドル(同28万ドル)の拠出が、事務局が実施する活動に合計137万ドル(同42万ドル)の拠出表明があった。
なお、第47回理事会は2011年11月にグアテマラで、第48回理事会は2012年11月に横浜市にて開催することを決定した。【林野庁】