一般財団法人環境イノベーション情報機構
赤川・加古川各水系の河川整備基本方針を策定
【水・土壌環境 その他(水・土壌環境)】 【掲載日】2008.09.18 【情報源】国土交通省/2008.09.17 発表
社会資本整備審議会に対し国土交通大臣が意見を求めていた、赤川と加古川各水系の河川整備基本方針が、同審議会・河川整備基本方針検討小委員会での審議を経て、平成20年9月16日付けで策定され、同日の官報で公表された。河川整備基本方針は、治水、利水、河川環境など、各水系の河川管理の総合的・長期的な方針を定めるもので、河川環境については整備・保全・維持管理に対する考え方を明らかにしている。
赤川は、山形・新潟県境に位置する朝日山系以東岳に源を発し、庄内平野を北上し、酒田市南部の庄内砂丘を切り開いた赤川放水路を通じて日本海に注ぐ、流域面積856.7km2、幹川流路延長70.4kmの一級河川で、今回策定された「河川整備基本方針」には、上流部のイワナ、ヤマメ等の生息・繁殖場である渓流環境、中流部のアユ等の生息・繁殖場となる瀬・淵の保全に努めるとともに、外来種のハリエンジュは伐開等により駆除・拡大防止に努め、さらには礫河原の再生・保全に努める。下流部では水制工を存置し、ジュズカケハゼ等の生息場となっているワンドの保全と植物重要種の保全と復元に努めるとともに、河口部では汽水域に生息する動植物の生息環境の保全・復元に努めること−−などが環境保全項目として盛り込まれている。
一方、加古川は兵庫県朝来市山東町と丹波市青垣町の境界にある粟鹿山に発し、播州平野を南下し、加古川市尾上町、高砂市高砂町向島町で瀬戸内海播磨灘へと注ぐ、流域面積1,730km2、幹川流路延長96kmの一級河川で、「河川整備基本方針」の環境保全項目には、加古川の特徴的な景観を形成する「闘竜灘」や河口部における干潟やヨシ群落等、加古川の流れが生み出す良好な河川景観を保全し調和のとれた整備に努めるとともに、上流域のオオサンショウウオや河口干潟のハクセンシオマネキなど多様な動植物の生息・生育・繁殖する豊かな自然環境を次世代に引き継ぐよう努めること−−などの内容が示されている。【国土交通省】