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環境ニュース[国内]

豊川水系設楽ダム建設事業環境アセス書に対し国土交通大臣意見を送付

環境一般 環境アセスメント】 【掲載日】2007.05.17 【情報源】国土交通省/2007.05.16 発表

 国土交通省は、豊川(とよがわ)水系設楽(したら)ダム建設事業の環境影響評価書について、国土交通大臣としての意見を平成19年5月16日付けで事業者である中部地方整備局に送付した。
 豊川水系設楽ダムは、国土交通省中部地方整備局が事業主体となり、愛知県北設楽郡設楽町内の豊川に、貯水面積297ヘクタールの規模で建設が予定されている多目的ダム。洪水調節、流水機能維持、新規水資源開発を設置目的としている。
 今回の国土交通大臣意見には、(1)可能な範囲で環境保全の新技術を取り入れ、環境影響低減により努めること、(2)事後調査結果が保全対象動植物の生態に関する科学的基礎資料として活用できるよう配慮すること、(3)事業実施に伴い必要となる環境調査・対策の内容・費用を公表すること、(4)環境保全措置として整備する湿地が環境教育の場として活用されるよう、関係機関との連携に努めること−−が盛り込まれている。
 また、19年4月に国土交通大臣に送付された環境大臣意見を考慮した内容としては、事業実施区域とその周辺に希少種のネコギギやクマタカが生息していること(注1)、東海自然歩道、愛知高原国定公園、天竜奥三河国定公園の一部が事業実施区域内にかかっていることを踏まえた意見が示された。
 具体的には、(一)ネコギギについて移植などの保全措置を慎重に実施すること。また移植後の個体群の生息安定性を確認すること、(二)クマタカについて事後調査とともに、必要に応じた環境保全措置を確実に実施すること、(三)代償措置として新たな自然歩道ルートを設定する場合に愛知高原国定公園・天竜奥三河国定公園との風致の連続性を確実に維持すること−−の3点があげられている。【国土交通省】

(注1)ネコギギ、クマタカとも、環境省のレッドリストで「絶滅危惧1B類(近い将来、絶滅の危険性が高い種)」に指定されている。ネコギギは伊勢湾および三河港に注ぐ河川の中・上流域のみに生息している淡水魚で国の天然記念物に指定されており、今回のダム建設事業では事業実施区域内にある生息地が消失する。一方、猛禽類であるクマタカは、工事によって繁殖が影響を受ける可能性があるとされている。

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