一般財団法人環境イノベーション情報機構
環境改善目的での河川水の使用許可基準を作成
【水・土壌環境 その他(水・土壌環境)】 【掲載日】2006.03.22 【情報源】国土交通省/2006.03.20 発表
国土交通省は平成18年3月10日までに、河川水を環境用水として使用する場合の水利許可基準を作成し、地方整備局や都道府県の関係部局に送付した。この基準は、河川管理者以外の主体が河川の流水を使用して、身近な水路などに水を流すことにより、水路浄化や動植物の生息環境保全など環境改善に取組むケースを想定したもの。
申請主体は原則、地方公共団体としているが、地域のまちづくり計画に位置づけられ、事業の確実性が確認されれば、NGOなども申請主体として認めるとしている。
また通常は、渇水時でも河川流量が維持できる範囲を見越して、安定的な取水を行う場合に使用を許可するとしたが、継続的な取水をしなくても目的が達せられる場合には、豊水(注1)を水源とし、河川流量が一定基準を超えた場合のみ取水するケースなども許可できるとした。ただし、豊水を水源とする場合には、河川管理者があらかじめ関係者の意見集約を行った上で「豊水利用計画」を策定する必要がある。
さらに許可期間は原則3年を限度とし、3年ごとに他の水利使用との関係も考えて見直すこと、環境改善の目的が達成できたか、許可対象者に定期報告を求めること−−なども盛り込まれている。
基準策定に先立ち、宮城県仙台市の六郷堀・七郷堀で、農業用水が流れない冬季に広瀬川からの水を取水して流した事例では、BOD、SS、臭気などが通水前に比べて大幅に改善したことが報告されているという。
(注1)豊水は10年に1回程度の渇水年の流量(基準渇水流量)を上回る部分の流量。【国土交通省】