一般財団法人環境イノベーション情報機構
神栖市の6飲用井戸で新たにジフェニルアルシン酸検出
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2005.10.06 【情報源】環境省/2005.10.04 発表
茨城県神栖市の井戸水から高濃度の有機ヒ素化合物・ジフェニルアルシン酸が検出された問題に関連して、平成17年10月4日までに、新たに6か所の飲用井戸からジフェニルアルシン酸検出が確認された。今回の検出は、環境省、茨城県、神栖市がA・B2つの汚染井戸周辺外縁21か所で実施している地下水監視調査で、B井戸周辺地区南西部分のモニタリング孔「M−20」から、17年8月にジフェニルアルシン酸が検出されたことを受け、このモニタリング孔から半径約200〜300メートル圏内でA・B周辺地区外にある全飲用井戸27か所を検査したところ、判明したもの。
検出値は1リットルあたり0.01から0.418ミリグラム。
なお、地下水調査を行った範囲では、「M−20」からのジフェニルアルシン酸検出を公表した17年9月16日時点に、井戸水の飲用自粛が指導されたが、環境省、茨城県、神栖市は今回の調査結果を踏まえ、(1)井戸水飲用自粛の継続、(2)今回の調査範囲外縁での飲用井戸調査の実施とその結果にもとづく、新モニタリング孔設置・継続的監視に、改めて取組む方針。
ジフェニルアルシン酸は戦後製造されていない化学物質で、神栖市には第二次世界大戦中に旧日本軍関係施設が設置されていたことがあるため、当初、これらの施設との関連で汚染がおこったと推測されていた。
ただしその後の調査で、汚染井戸周辺の地中に高濃度ヒ素を含むコンクリート様の塊が発見され、この塊の中に「平成5年6月」と記された空き缶が含まれていたことなどから、「5年以降にジフェニルアルシン酸そのものがコンクリートのようなものに混ぜられて投入された可能性が高い」という汚染原因推定結果が、17年6月開催の「国内における毒ガス弾等に関する総合調査検討会」で報告されている。【環境省】