一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、2021年の欧州の産業に起因する大気汚染の社会的費用は減少傾向も域内総生産の2%に相当と報告
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2024.02.13 【情報源】EU/2024.01.25 発表
欧州環境庁(EEA)は、欧州における産業公害型の大気汚染による社会的費用の動向について分析した。EEAによると、約1万ヶ所の大規模産業施設から排出された大気汚染物質に起因する社会的費用は、2012年から2021年までの10年間で33%減少したものの(年平均では2,680億〜4,280億ユーロ)、2021年の時点でEUの域内総生産(GDP)の約2%に相当する。この社会的費用の半分は、全体のわずか1%(107ヶ所)にあたる産業施設(多くが石炭火力発電所)が原因になっている。
一方、同費用の低減分の80%に貢献したのがエネルギー部門である。これは主に、利用可能な最良の技術(BAT)の導入や、再生可能エネルギーや汚染が少ない燃料への移行の成果であり、EUの取組によるところが大きい。
また、これらの産業施設に起因する社会的費用を国別に集計して比較した順位はこの10年間ほとんど変動がない。産業施設からの汚染物質の排出量はEUレベルで減少したが、各国の相対的な排出量は変わっていないという。
【欧州環境庁】