一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界気象機関、大気汚染と気候変動の相互作用で「気候ペナルティ」リスクが上昇と警告
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2022.09.22 【情報源】研究機関/2022.09.07 発表
世界気象機関(WMO)は、「大気質・気候年報2022年版」を発表し、大気汚染と気候変動の相互増幅作用で「気候ペナルティ」リスクが上昇とすると警告した。「気候ペナルティ」とは、高温化で地表オゾン濃度が上昇するため、より強力な大気汚染対策が必要となることをいう。オゾンは主に化石燃料の燃焼で生成するが、増加の5分の1は気候変動(特に熱波)が原因であるという。他の主要な大気汚染物質の微小粒子状物質(PM2.5)は、化石燃料の燃焼、林野火災、土壌ダストが発生源である。2021年は、7月・8月にシベリアと北アメリカ西部で気候変動による高温・乾燥を原因とする激甚森林火災が続き、記録的な濃度のPM2.5が発生、大気を汚染した。
「年報」は、IPCC第6次評価報告書を引用して、21世紀末までに激甚林野火災の可能性は高排出シナリオで40〜60%、低排出シナリオでも30〜50%上昇すると述べ、「気候ペナルティ」回避のためにはいっそうの気候変動対策と大気汚染対策が必要であると強調する。
【世界気象機関】