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環境ニュース[海外]

京都議定書目標達成まで2%

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2002.11.18 【情報源】ドイツ/2002.11.05 発表

 ドイツ連邦統計庁は、11月5日、「2002年環境経済計算」の結果をトリッティン環境大臣に提示した。これによると、ドイツは、1990年と比較し、この4年間で16%から19%のCO2を削減しており、京都議定書温室効果ガス削減目標値21%まで、あと2%に迫った。ドイツは、約2億トン以上の温室効果ガスを削減しており、その量は、他のEU加盟国の削減数値を合計したものより多い。
 「環境経済計算」の概要は次のとおり。
 ・1991年から2001年の間、原料消費は、年平均約0.4%減少した。
 ・1990年から2001年の間、エネルギー消費は、年平均約0.3%減少した。
 ・1990年から2000年の間、大気汚染物質は年平均約6.5%減少し、温室効果ガスは年平均約2.1%減少した。
 1991年から2001年の間に、経済成長率は、年平均約2.1%上昇していることを考えると、経済と自然の関係がうまく噛み合ってきていると言える。しかし、連邦政府が作成した「持続可能なドイツのための戦略」を達成するためには、この状況では不十分である。とりわけ土地利用は増加し続けており、昨年のデータでは一日平均約124ヘクタールの土地に、建物や道路が建設されていく状況にある。2020年には、この数字を30ヘクタールに下げることが求められる。
 CO2排出量に関しては、1991年と比較し、2000年は、約1億1800万トン減少している。製造分野におけるCO2削減量は、約3100万トンである。需要の増加により9600万トン増加したものの、経済構造の変化、及び製造技術、利用方法の改善により、1億2700万トン削減された結果である。また、家庭(乗用車を含む)におけるCO2削減量は、約2600万トンである。住宅に関する土地利用及び乗用車利用の増加により、3700万トンのCO2が増加したものの、住宅におけるエネルギー効率の向上、乗用車の走行距離の効率化の結果、約6300万トンのCO2が削減された。
 トリッティン氏は、「今後、ドイツは首尾一貫した温暖化対策をとり続ける。京都議定書の目標を達成するだけでなく、さらに多くの温室効果ガスを削減していきたい。また、現在、ブリュッセルで検討されている排出量取引を積極的に導入していきたい。我々にとって環境政策は重要であり、環境税制改革の促進、自然エネルギーの拡大、省エネルギープログラムの充実など、既に具体的な政策を立てており、順調に取り組んでいる」と述べている。一方、この分析を担当したオズナブリュック大学のマイヤー教授は、今後、道路交通量の増加と家庭における暖房器具の需要の増加により、CO2は、2010年までにこれ以上削減されないとし、ドイツの京都議定書目標達成に対して疑問を投げかけている。

更なる情報
・Dr. Karl Schoer
 Telefon: (0611) 75-2223,
 E-Mail: karl.schoer@destatis.de
・Prof. Dr. Bernd Meyer
 Telefon: (0541) 40933-0
 E-Mail: meyer@gws-os.de

【ドイツ連邦環境省、ドイツ連邦統計庁】


(ドイツ連邦環境省プレスリリース)

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